国際通り沿い琉球料理伝承人による伝統的な琉球料理、くにんだ那覇

デパートリウボウから国際通りへ少し進むとある沖縄料理店「くにんだ」。
王家や来賓をもてなす宮廷料理から家庭料理まで、伝統的な琉球料理を提供するお店となっている。

今回はお昼に訪問しランチで人気の、こだわり抜いた一品一品の料理を12品、ひとつの膳にまとめた「うとぅいむち御膳」をいただきました。

ブロックが積まれたコンクリ壁に天井はコンクリート打ちっぱなしの無機質なおよそ沖縄料理店とは想像つかないモダンな店内に、雰囲気のあるコの字カウンター。

「うどぅいむち」とは沖縄の言葉で「おもてなし」。お品書きのメニューには一品一品丁寧に描かれた料理の説明がある。

ウェルカムドリンクとして提供される「琉球もろみ酢」、もろみは泡盛の製造工程で採れるもろみ粕を搾ってつくられる発酵クエン酸、アミノ酸ドリンク。

ウェルカムドリンクを飲み干し程よいタイミングでやってきたのは「うとぅいむち御膳」。
琉球漆器にやちむん、琉球ガラスで盛り付けられた11品の琉球料理の御膳に心踊る。

最初にいただいたのは「ジューシー」豚肉の茹で汁と昆布出汁を使った沖縄の炊き込みご飯。味は他の料理と合わせやすいように薄口な上品な味わいで、こちらはおかわり自由となっている。

ゴーヤーの甘酢漬けに二ガナの添え物(二ガナ、豆腐、白ゴマのあえ物)。箸休めにちょうどよい一品、二ガナのあえ物は家庭の味はピーナッツバターを隠し味にしていたが、こちらはオーソドックスなシンプルで美味しいお味。

ビラガラマチ。沖縄では旧正月や清明祭、トゥシビー(生年祝い)に食べる伝統的な琉球料理。カマボコを芯にし、茹でたビラ(ネギ)で巻き、酢味噌ダレをかけたもの。

クーブイリチー。細切りにした昆布を、かつおと出汁で炒り煮込んだもの。沖縄のスーパーの惣菜コーナーでも売っている定番料理。
もずく酢。沖縄近海に生息する海藻の酢の物。ちょうど良い三杯酢に歯ごたえのあるもずく。
ジーマーミ豆腐。落花生のしぼり汁を固めてつくる弾力のある豆腐。
マクブの刺身。太平洋西部の熱帯から亜熱帯域に生息しているベラ科の魚で沖縄県では「沖縄三大高級魚」ともいわれる刺身を粟国の塩とシークワーサ、ハンダマ(水前寺菜)と一緒に食す。
ラフテー。豚の三枚肉の角煮で、味噌、醤油、泡盛で煮込んだ物。お箸でほろっとほぐれ深みとコクがある。
田芋の唐揚げ。縁起物として扱われるターンム(田芋)を甘辛く揚げた物。揚げることでサクッとした食感と田芋(ターンム)独特のしっとりとした食感が楽しめる。
イナムドゥチ。「イナ」はイノシシ、「ムドゥチ」はもどきの意味、かつてはイノシシの肉を使っていた汁物だったが、豚肉を使って作られるようになったことからこの名がついた。甘めの白味噌を使った具だくさんの味噌汁。
食後には、やちむんのマグカップに注がれたサンピン茶。ジャスミンの花香るスッキリとした味わい。
甘味は小豆を沖縄の黒糖や塩で甘辛く煮たぜんざい。最後の締めにやさしい仕上がりとなっている。

HOTEL COLLECTIVEから徒歩5分、「くにんだ 那覇」は単なる沖縄料理店ではなく、沖縄の食文化を再定義し、新しい体験を提供する意欲的なお店となっている。

沖縄料理 くにんだ那覇
〒900-0014 那覇市松尾1-2-7 真喜屋ビル1F
営業時間:11:00〜15:00 (Lo.14:30)17:00〜22:00(Lo.21:30)
定休日:水曜日・日曜日
※2024年11月時点。詳しい詳細は公式サイトをご確認ください。